職場での転勤や退職の際、同僚から餞別を受け取ることがよくあります。その際、礼を尽くすことに気を使ってしまう人も少なくありません。
そもそも餞別へのお返しは必要なのでしょうか?どのような品物や感謝状が適切なのでしょうか。ここでは、それについて解説します。
餞別のお返しは必要か?
餞別のお返しについては、状況や文化によって異なる場合がありますが、一般的な日本の文化では、餞別を受け取った際には物理的なお返しをする必要はありません。餞別は送別会や異動など、特定の節目で人々が対象者へ祝福として贈るものです。そのため、その気持ちに対して感謝の意を示すことが重要です。
ただし、高額な品物や金額を受け取った場合は例外となります。以下の「高額な餞別を受け取った場合」を参照して下さい。
仮に、お返しをする場合でも、高価なものを贈るのではなく、感謝の気持ちを込めたお礼状を送るのが一般的です。その中で、心からの感謝の意を表し、受け取った餞別に対する感謝を伝えることが望ましいとされています。また、個別にお礼を言う機会がある場合には、直接感謝の言葉を述べることも良い方法です。
高額な餞別を受け取った場合
高額な餞別を受け取った場合でも、必ずしも物理的なお返しをする必要はありませんが、贈り主の気持ちを慮って適切に対応することが大切です。特に、受け取った金額が高額な場合には、贈り主への感謝の気持ちと敬意を、以下のような方法で示すことも考えられます。
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- 感謝の手紙を送る:まず基本として、お礼状を心からの感謝の気持ちを込めて送ることが重要です。その中で、どれほど感謝しているかを具体的に述べます。ケースによっては、感謝の手紙と共に、象徴的なお返し品を添えることが適切な場合もあります。これは高価なものである必要はなく、贈り主の好みや趣味に合わせた心のこもったアイテムで十分です。
- 直接のお礼:可能であれば、送り主に直接会ってお礼を言うことも良い方法です。直接のコミュニケーションと通してであれば、感謝の気持ちを送り主により伝えやすくなります。
- 後日のフォローアップ:新しい環境での近況を報告するなど、後日改めて連絡を取り、受けた支援がどのように役立っているかを伝えることも一つの方法です。
これらの対応は、贈り主との関係性や文化的な背景によって変わることがあるため、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。
お返しする際のお勧めの品
餞別に対するお返し品を選ぶ際は、以下の点を考慮するのが望ましいと言われています。
- 贈ってくれた側(贈り主)の意図や関係性、お互いの文化的背景を考慮すること
- 贈り主の好みやライフスタイルを考慮すること
また、お返し品は控えめで心のこもったものが好ましいとされています。
新任地の名産品や美味しい食べ物なども餞別のお返しの品としてお勧めです。
職場全体にお返しする際に適切な品
職場の多くの人へ一度にお返しをする場合、個包装されたお菓子が配りやすく、日持ちするものが安心です。職場の人数や環境、予算に合わせて適切なものを選びましょう。
のしには「御礼」を記し、感謝状を別送することで丁寧さを示すことができます。
個人にお返しする際に適切な品
個人宛にお返しをする際は、受け取った餞別の1/3から半額の価値のある品物が良いでしょう。新任地の名産品を選ぶことが一般的ですが、どのような品物が適切か不明な場合は、新しい職場の同僚に相談するのも一つの方法です。これがコミュニケーションのきっかけとなり、関係が深まることもあるかも知れません。
以上のように、餞別のお返しには様々な考え方がありますが、感謝の気持ちを形にすることが何よりも大切です。
お返し品を送る時期
お返し品を送る時期については、新しい職場や引越しの忙しさが一段落した後に考えるのが適切です。
餞別に対する感謝状の書き方
頂いた餞別の感謝状の書き方について解説します。
感謝状に含めるべき主なポイントは次のとおりです。
- 餞別に対する感謝の言葉
- これまでお世話になったことへの感謝
- 現在の生活状況など
以下は餞別に対する感謝状の一例です。
拝啓
爽やかな秋風が心地よい季節となりましたが、貴殿におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびは私の新たな門出を暖かく見守っていただくともに、心温まるお餞別を賜り、誠にありがとうございました。
お心遣いに深く感謝しております。
現在は挨拶回りも無事終え、新たな環境にも順応しつつあります。
これからは、皆様からいただいた助言と支援を胸に、これからも精一杯努力して参ります。
引き続き、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
長い間のご愛顧に心から感謝を申し上げるとともに、皆様の健康と幸福をお祈りしております。
重ねて御礼申し上げます。
敬具
※餞別のお返しに品物を送る際には、その旨を添えてお知らせすると良いでしょう。
あとがき
あらためてですが、一般的には餞別のお返しは特に必要ないとされています。心からの感謝を込めた手紙だけでも十分です。
過度に高価なお返しは避け、感謝の気持ちを伝えることが大切です。