お彼岸とお盆の違い:お墓参りはいつ行くのが適切?

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お墓参り 義理と礼儀

仏事とは別として、結論を先に言ってしまうと、お墓参りは、いつでも思いついたときに行っていいんです。大丈夫です。お彼岸だろうが、お盆だろうが、です。ご先祖様も、思い出してくれたことを喜んでいらっしゃいます。

それは言いましても、お彼岸とお盆では、その行事の由来や風習、催事の内容や手順など異なるところも多々あります。それで、ここでは、仏事としてのお彼岸とお盆およびそれと深く関係するお墓参りを中心に、その周辺の違いについて紹介します。

お彼岸は、春が3月、秋は9月、お盆は8月。いずれも実家に帰省して「ご先祖様を供養する日本独自の習わし」であり、お墓参りをする時期としては社会的にも妥当な時期と考えられます。年に1回のお盆と、年に2回の春と秋のお彼岸。合計すると、少なくとも年に3回、毎年ご先祖様が希望されているお墓参りの機会があります。

では、お彼岸とお盆は何が違うのでしょうか?また、お墓参りはいつ行くのが最適なのでしょうか?今回、これらの疑問にたいする答えを用意しました。

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お彼岸とお盆は何が違うのでしょう?

お彼岸とお盆は、どちらもご先祖様を供養するための期間ですが、その違いを詳しく見ていきましょう。

お彼岸とは?

仏教の世界では、
ご先祖様のいるあの世を「彼岸」、
私たちが生きているこの世を「此岸(しがん)」と呼びます(「彼岸」と「此岸」の意味は下記を参照)。

お彼岸は、彼岸と此岸の距離が一番近くなる春と秋の年2回おこなわれ、ご先祖様をより近い距離でご供養する行事です。

彼岸と此岸の意味
  • 彼岸:理想的で苦しみのない世界、つまりあの世。
  • 此岸:私たちが生きている、欲望や悩みの多い現実の世界。

お彼岸という行事を行う目的

  1. 先祖供養: お彼岸の中心的な目的は、先祖の霊に感謝し、供養することです。先祖の魂が安らかであることを願い、お墓参りや仏壇へのお供えを通じて敬意を表わします。
  2. 自己浄化と精神的な再認識: お彼岸は「彼岸」と「此岸」の間のバランスを考える時期とされており、現世(此岸)と悟りの境地(彼岸)との関係性を考える機会を提供してくれます。この期間には仏教の教えに従って心を浄化し、精神的な成長を目指します。
  3. 昼と夜の均等を象徴する自然との調和: 春分と秋分の日は昼夜の長さがほぼ等しくなるため、この時期は自然界のバランスが取れた状態とされています。お彼岸のこの時期には、人間も自分の内面のバランスを整えるべきとされています。
  4. 家族の絆の強化: お彼岸は家族が集まり、共に時間を過ごす事ができる大切な機会です。お墓参りやお供え、食事を共にすることで家族間の絆を再確認し、強化することも目的のひとつです。

お彼岸を通じて、日本人は先祖を敬い、家族との結びつきを強化し、心の浄化を図ることで、日常生活においても精神的な調和を保つことを目指します。

お彼岸が年に2回ある理由は?

日本で年に2回、昼と夜の時間がほぼ同じになる日があります。それが、春分の日と秋分の日です。太陽が真東から昇って真西に沈むので、昼と夜の時間が等しくなり、彼岸(あの世)と此岸(この世)の距離が一番短くなる日とされています。この一番近くなる春分の日と秋分の日に合わせ、お彼岸も年2回おこなわれるようになりました。

お彼岸の時期と期間

彼岸花

  • 春のお彼岸:春分の日を中日として、前後3日間を合わせた7日間。
  • 秋のお彼岸:秋分の日を中日として、同様に7日間。

この期間は、ご先祖様に感謝し、お墓参りをする日として知られています。

ただ、実際のところは、国立天文台が太陽の動きを観測して毎年日付を定めており、年によっても異なります。春と秋のお彼岸は春分の日と秋分の日を中日として計算されるため、毎年お彼岸の時期も変わってくるようです。

お盆とは?

お盆(おぼん)は、日本の伝統的な行事で、先祖の霊を迎え入れ、供養する期間です。仏教用語の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を短縮したものです。

お盆という行事を行う目的

  1. 先祖の霊を迎える: お盆は、故人の霊が年に一度家族のもとに戻ってくるとされる期間です。家族は「迎え火」を焚いて霊を迎え入れ、「送り火」を焚いて霊を送り出すことで、故人を尊重し、感謝の意を表します。
  2. 先祖供養: 先祖の霊に食べ物や飲み物などの供え物をすることで、先祖の供養を行います。これにより、先祖が築いた恩恵に感謝し、先祖の幸福を祈ることが目的です。
  3. 家族の絆を深める: お盆は家族が集まる機会としても大切にされています。多くの家族がこの期間に帰省し、共に過ごすことで家族の絆を確認し、強化します。また、家族間のコミュニケーションを促進し、家族の歴史や故人の思い出を共有する重要な時間です。
  4. 故人を偲ぶ: 故人の生前の姿を偲び、故人の業績や思い出を語り合うことで、故人への尊敬の念を新たにします。これは、故人を形式的にではなく心から思い出し、感謝する行為として行われます。
  5. 文化的・社会的伝統の継承: お盆は、地域によって異なる習俗や文化行事が色濃く反映される時期でもあります。例えば、盆踊りや特定の食事の準備などは、その地域の文化や伝統を若い世代に伝え、継承する機会を提供します。

これらの目的を通じて、お盆は単なる祭りではなく、家族や地域社会の連携を深めるための重要な社会的機能を果たしています。

お盆の時期

盆の時期は8月(8月13日~16日)が一般的ですが、地域によっては7月(7月13日~16日)や8月中旬から9月中旬にお盆をおこなう場合もあります。

地域による違いが生まれたのは、明治時代に新しく太陽暦(グレゴリオ暦)が取り入られたことがきっかけです。従来通り、旧暦(太陰太陽暦)のまま8月にお盆をおこなう地域もあれば、新暦にならって7月におこなう地域もでてきたことが原因です。

お盆の期間や日程

お盆の期間や日程は地域によって若干異なるところがありますが、以下の日程で行われている地域が多いようです。

8月13日(迎え盆)

この日に「迎え火」を行い、先祖の霊を家に迎え入れます。家族は故郷へ帰省し始めることが多く、お墓の掃除や仏壇の準備などを行います。

8月14日と15日

この期間中、家族や親戚が集まり、共に時間を過ごし、先祖の霊に供え物をします。また、地域によっては盆踊りやその他のお盆にちなんだイベントが開催されることもあります。

8月16日(送り盆)

お盆の最後の日には「送り火」を行い、先祖の霊をあの世に送り返します。家族は再びお墓を訪れてお別れをし、お盆の終わりを迎えます。

一部の旧暦に基づいて7月にお盆を行う地域では「7月盆」とも呼ばれ、7月13日から16日にかけてお盆の行事が行われることがあります。

このように、お盆は日本全国で広く行われていますが、地域によって実施する期間や習慣には多少の違いがあるため、その地域の文化や歴史に合わせたお盆が行われます。

お彼岸とお盆の違い

お彼岸とお盆は、どちらもご先祖様を供養する行事ですが、明確な違いがあります。

  • お彼岸:自分からお墓へ出向き、ご先祖様に感謝して供養する。
  • お盆:ご先祖様の霊を家に招き、供養して送り出す。

ここで次のような疑問を持たれる方もおられるかもしれません。

お盆は家でご先祖様の霊をお迎えするのに「なんでお墓参りに行くの?」と。

それは、お盆のお墓参りには、ご先祖様を迎えに行くという意味があるからです。その際、お墓の掃除を行い、その後、家の仏壇で供養し、最後に送り火でお見送りします。ただし、この流れは地域や家庭によって異なることもあるので、周りの人たちに合わせるように注意しましょう。

お墓参りをする目的

お彼岸にお墓参りをする目的

彼岸と此岸が一番近くなるお彼岸の時期に、お墓に出向いてお参りをし、ご供養することが目的です。

お盆にお墓参りをする目的

お盆の初日は、彼岸から此岸(家)に里帰りされるご先祖様をお迎えするためにお墓にお参りします。また、お盆の最終日には彼岸にお帰りになるご先祖様をお送りするためにお墓参りをします。

お彼岸とお盆のお供えものの違い

一般的にお供えするものとして、お線香や季節の花、ろうそく、お水、精進料理や果物、その他に故人が好んだ食べ物や飲み物などをお供えするのが一般的でしょう。なお、 肉・魚などの殺生を連想されるもの、辛い物やにおいの強いものはタブーと考えられています。お花に関しては香りの強いものやトゲのあるものが避けられています。

お彼岸にお供えするもの

春のお彼岸には、春に咲く牡丹の花にちなんだぼた餅を、こしあんを使い丸みのある形に整えてお供えします。秋のお彼岸には秋に咲く萩の花からおはぎをお供えするのが慣例です。おはぎはつぶあんを使い、俵型に整えます。彼岸団子と呼ばれるお団子をお供えする地域もあり、お団子の形や積み方にも地域による違いがみられます。

お盆にお供えするもの

年に一度、彼岸から此岸に里帰りされるご先祖様をお迎えするために、目印となるよう、ろうそくや提灯をお供えするのが習わしです。そうめんをお供えする地域も多くあり、彼岸に戻られるご先祖様が荷物をまとめる際にひもとして使うためだともいわれています。

お墓参りはいつ行くのがいい?

お墓参りには決まった時期はありません。人によってはお墓が遠方にあるため、頻繁に行けないこともあります。一方、お墓が近く、日常的に参れる人もいるでしょう。

お墓参りには特定の回数やタイミングのルールはありません。お彼岸やお盆に行くのが一般的ですが、可能なときに訪れてご先祖様に感謝するのが一番です。また、遠方にいる方や忙しい方は、仏壇でお線香をたいて手を合わせるだけでも十分です。

あとがき

お彼岸とお盆の違いは供養の形式にありますが、どちらも大切なご先祖様を偲ぶ行事です。お墓参りには厳格なルールがあるわけではないので、自分のペースでご先祖様を大切にし、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

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